「もりおか映画祭2013」開催に際して
17年間映画祭を開催し続けているスタッフの皆さんに敬意を表します。
ぼくは39年前に『同胞』という映画を作りましたが、
ミュージカル公演を開催しようと頑張ったあの時の松尾村青年会の姿と、今の
スタッフの皆さんの活動がぼくには重なって見えます。
だから、きっと皆さんの映画祭は素晴らしい催しになるに違いない、
参加者が“あゝ楽しかった、また来ようね”という会話をかわしながら会場を
あとにする集いになるに違いない、と思います。
幸福の黄色いハンカチがはためくような、暖かい映画祭でありますように。
映画監督 山田 洋次
黄色いハンカチが戻ってきた。
3年前、沿岸に残った小さな映画館から始まった
“黄色いハンカチプロジェクト”。
たすきをつなぐリレーのごとく、各地の人の手によりしたためられた
たくさんの温かいメッセージが希望を乗せて舞う。
今年は僕らが、その希望を更に膨らませて、新しい空につなぐのだ。
日本でただ一つ、映画館通りがある街、盛岡。
映画を愉しみ、ここに集える喜びを、さあ味わおう
映画監督・もりおか映画祭実行委員会顧問 大友 啓史
黄色いハンカチについて
東日本大震災で被災した陸前高田市の菅野啓佑さんは、
流失した自宅跡に「幸福のシンボル」としていち早く黄色いハンカチを掲揚、
それを知った山田洋次監督は「あの映画をつくってよかった」と、
同地を自ら訪れ、菅野さんに励ましのメッセージ入りのハンカチを贈りました。
また、三陸唯一の映画館「宮古シネマリーン」が
「三陸から映画の灯を消さないで」と全国の映画ファンに呼びかけたところ、
1200枚ものメッセージ入りの黄色いハンカチが届きました。
震災被災地と全国の方々とを結び付けるこの運動は
「黄色いハンカチプロジェクト」として全国に広がっています。
『もりおか映画祭2013』は、「幸せが待っている3日間」をテーマに、
映画を通じて、黄色いハンカチがつなぐ岩手と全国の皆さんの
心の結びつきをイメージさせる映画祭にしたいと思います。